営業さん

この茅ヶ崎の家を買ったときは、1年近くいろいろな物件を見て回りました。
新築、中古、それから土地も、平塚から横浜まであちこち見に行きました。
そのつきあいをしてくれていた弱小不動産屋のSさんが、とてもユニークな方だったのでそれを書きたいと思います。

Sさんは、いわゆる「不動産屋の営業さん」という風ではまるでなく、汚れがついたヨレヨレのスーツを着ていて、お世辞などは一切言わず、飄々としていました。そして、本音がすぐにぽろっと出てしまう人でした。

例えば、イチオシの(はずの)新築物件を初めて案内してくれたときは、開口一番、「狭っ!」と言ってしまうし、中古物件を見ていたときは「ここらへんはシロアリが多い地域なんですよねぇ」とか教えてくれたりするのです。デザイナー建築の家だって、「ま、どうってことない間取りですね」とか言っちゃうのです^^;

他のほとんどの営業さんは、「早く契約にもちこみたい!」オーラがすごかったのですが(例えば「ここはすぐに決まっちゃうと思いますよー」と焦らせるなど)、Sさんはいつも同じ飄々としたふうで、購入を急かすことは一度もありませんでした。
Sさん、変な人だなあ。売る気ないのかしら。
そんなこんなで1年近く、あちこちの物件を私たち一家とSさんで見て回りました。

そのうち私たち夫婦も、Sさんが面白いので「ほかの大手不動産屋がいい条件を出してきても、Sさんから買おう」と思うようになりました。実際にそういったこともあったのですが、結局Sさんのところで買い、そして今に至るわけです。

思うのですが、お客もいろいろな人がいるので、その相手をする営業さんもいろいろな人がいてしかるべきである、と。
Sさんを「何なの? この人」って思う人もいるでしょうけど、私たちみたいに「面白い」と思う人もいると。これはお客との相性の問題なので、「営業職とはこういうもの」ってステレオタイプに決めてしまうことは、買う方売る方それぞれに損失が大きいのかもしれません。

家を買ったあとも、Sさんはときどき訪ねてきてくれて、故郷のさつまあげをくれたりしました。
コメント